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2007年01月08日

ドクターからの『毎月健康ニュース』2003年2月号

ヘルシーリビング


ドクタージャンスンから毎月届くニュースレター。
話題になっている医療ニュースからビタミン療法、ヘルシーレシピまで、幅広いトピックでお送りします。
ドクタージャンスンは、サプリメントだけでなく、食生活、運動、ストレス緩和の最新の情報から、みなさんがヘルシーなライフスタイルをご自分で築いていくことを、願っています。

2003年2月号風邪やインフルエンザを予防するには

目次
・人間的な成長
・風邪やインフルエンザを予防するには
・食事とサプリメントも一役買います
・風邪に効くハーブ
・Dr. Jに聞く:痛風
・最近のニュースから
・食事と病気
・マッシュルーム大麦スープ
・参考文献

読者の皆さま:人間的な成長

まだ10代後半から20代のころ、勉強にもなり、美しい文体で、心が豊かになるすばらしい小説や文学書、哲学書などをよく読みました。オスカー・ワイルドやドストエフスキー、ニーチェ、バルザック、スタインベック、リルケ、シェリー、オルダス・ハックスリーなどの本です。彼らの本は私の生き方や考え方に影響を与えましたし、ある意味では私の心を開いてくれました。

「経験豊か」といわれる年配の方々には、楽しい読み物だけど現実の話じゃないよ、と何度も言われたものです。でも、作者たちがつくりだした設定や登場人物、考え方、体験は、日常のどんな経験にも劣らない真に迫った感じがありますし、はるかにためになったと思っています。簡単に言えば、躍動感があり、哲学的に多くのことを学んだ彼らの本が私の生き方や考え方に根深く与えた影響を、今でも感じることができるのです。

もっとも、届いたばかりの情報を見ながらUSDA、AMA、FDA、NCI、AHAなどの略語の名称をもった機関の最新の動きについて書いていると、精神的・人間的成長とはかけ離れた気持ちにさせられます。でも、人間的な成長と発達は、あらゆるヘルシーな生活習慣と同じくらい、末永く健康を維持し、満足感に満ちた生活をするうえでなくてはならないものなのです。

芸術的な活動、文化的な活動を続け、知性や精神を刺激するような新しいことにチャレンジしていけば、長生きができますし、晩年も新しいことを学びながら豊かに過ごすことができますよ。動物を使った実験からは、運動によって脳の循環がよくなり、学習することによって神経細胞が元気になるということがわかっています。また、文化的な活動(アートの展覧会、美術館、コンサート、劇場、読書)をする人は長寿だが、それ以上に大切なのは健康に対する考え方がポジティブになることだ、とする研究結果もあります。

過去の科学的な研究結果を見なくても、私自身はいつも実感していることです。文化的な活動に積極的に関わっている人たちは退屈することがありませんし、活き活きと喜びを表現し、バイタリティーもあります。おもしろい話をしてくれ、豊かなユーモアのセンスも持っているのです。こうした活動にただ参加するだけでも価値はありますが、新しいスキルや手で物をつくる技術を身につけることの方が大切です。私自身は、アーリー・ミュージックを演奏すること(リコーダー歴は30年、最近はバイオリンを始めました)と、陶芸、写真、書、グラフィックデザインなどです。(他にもやりたいことを先の楽しみにとっといています!)

いろいろなものに興味を持ち、アートや工芸を楽しむと人間的にも精神的にも成長し、友達の輪も広がります。お互いに支えあうことのできる友達がいると、晩年になってすばらしい財産になりますよ。趣味と友達があれば、昨年の1月号で取り上げた美的センス、ユーモアを解する心、好奇心、喜びの心、冒険心を保つことができるのです。食事や運動、リラクゼーション、サプリメントなどでヘルシーな習慣を維持して健康管理をすることと同じくらい、人間的に成長したいという欲求を満たして人生をより豊かにすることも大切です。


風邪やインフルエンザを予防するには

天気の移り変わりの激しい寒い冬は、部屋にこもりがちになっていませんか。換気をせず、乾燥した空気の中で、ウィルスをもった人たちと多く接していては、あなたも風邪をひいたりインフルエンザにかかるリスクが高くなりますよ。風邪をひくととても不快ですし、やる気もなくなります。何もそんな病気になる必要はないのです。でももし風邪やインフルエンザにかかっても、症状を軽くし、早く症状を良くする自然の治療方法はいくらでもあるんですよ。

風邪の病原体としてよく知られるウィルスに、ライノウィルスがあります。このウィルスは、手の接触によって人から人へうつり、目や鼻を通ってからだの中に入っていきます。風邪をひかないようにするには、頻繁に手を洗い、保湿効果のある成分を少し含みアルコールが入ったハンドソープを使うのがベストです。(インフルエンザのウィルスは、咳やくしゃみをしたときに空気中に飛んだ飛沫から感染するのが一般的です。)

ウィルスはまた、菌のついた場所(ドアノブ、電気のスイッチ、便器のレバー、蛇口、電話など)を介してうつります。ですので、こうした場所をきれいにしておき、触った後は手を洗うことも大切です。喉に入った風邪のウィルスは細胞にくっつき、増殖します。そして10~16時間で風邪症状となって現れるのです。

鼻、副鼻腔、そして喉の粘膜が乾かないように、家の中を加湿しましょう。ストーブの上に水を入れたやかんを乗せておくのもひとつの方法です。壁がしっとりしてしまうまで加湿する必要はありません。カビも風邪の敵です。また、空のやかんを置いておくと火事になりますので気をつけてください。外出中までストーブにやかんをかけておく必要はありませんよ。家全体に空気がよく回るつくりであれば、比較的早く家中の加湿ができますので。

定期的に有酸素運動をすると免疫機能を高め、感染症にもかかりにくくなります。ただし、風邪やインフルエンザにかかった時はいつも以上に体を休めなければいけませんので、運動のしすぎはいけません。免疫力をつけるには、ストレスをなくし、十分体を休めることもとても大切です。


食事とサプリメントも一役買います

ヘルシーな食事を心がけることで免疫機能を高めることもできます。精製された砂糖は、免疫力を低下させる一因です。スニッカーズのようなキャンディーバー(チョコレートベースのお菓子)に含まれているティースプーン5杯分の砂糖をとるだけで、白血球の働きは25%下がります。もっと砂糖をとればさらに下がるのは言うまでもありません。マーガリンなどの硬化油は、プロスタグランジンという調整物質を阻害し、正常な免疫機能を低下させてしまいます。

たっぷりのフルーツや野菜と未精製の食物中心の食事で、ビタミンC、フラボノイド、その他の栄養素がしっかりとれます。さらに風邪を予防したり、万が一病気になっても症状を早く改善するには、サプリメントをとることが好ましいでしょう。

医者の決まり文句は、こうです。風邪は治療しなければ1週間は続く。でもきちんとした治療をすれば7日以内に治る。これは、栄養サプリメントをとればもっと早く治るという研究結果を無視した発言です。

30年前、ライナス・ポーリング(Linus Pauling)は「Vitamin C, The Common Cold, and The Flu(邦題:ビタミンCとかぜ、インフルエンザ)」(村田 晃 訳、共立出版)を書き、高用量のビタミンCは風邪を予防するだけでなく治すという研究結果を示しました。ビタミンCは免疫機能を助け、風邪をひきにくくし、病気の重症度を軽くして治りやすくするというのは、今でも事実です。症状が一日で回復しても、決して奇跡じゃないのです。

風邪の場合は、一日8~10グラムまでとることをお勧めします。ウィルスに感染した場合は、白血球に含まれるビタミンCの量が落ち込むので、一日200mgのビタミンCサプリメントをとっても意味がないとする研究結果もあります。しかしながら、6000mgのビタミンCをとると、白血球に含まれるビタミンCが増え、ウィルスと戦うのを助けてくれるのです。


風邪に効くハーブ

風邪を早く治し、症状を軽くするには、エキナセアというハーブが効果的です。最近ドイツで行われた標準エキスを使った調査では、プラセボ群はエキナセアをとったグループより症状が50%長引いたとしています。

146人を対象に12週間かけて行ったニンニクエキスの研究では、プラセボ群で風邪をひいた人が65だったのに対し、治療群ではたったの24でした。また、風邪をひいた人でも、症状が見られた期間はプラセボ群の5日に対し、平均2日でした。脱臭のニンニクエキス500~1000mgを毎日とることをお勧めします。

学齢期の子供496人を対象とした報告では、亜鉛トローチが風邪を早く治し、症状を軽くし、抗生物質を必要とする合併症を予防することが示されました。予防のために毎日とっていた子供は、風邪をひきにくくなっていました。亜鉛トローチの一般的な用量は、15mgを一日数回とることです。

また、エルダーベリーのエキスは、ウィルスが増殖するのを防いでくれます。特にインフルエンザウィルスには効果的なようで、このウィルスによる感染症を早く治します。免疫機能を高めて、サイトカイン(感染への反応を引き起こす伝達分子)の生成を促すのです。一日1000~2000mgの標準エキスをとるのが一般的です。

免疫力を高めるサプリメントは他にいくつもあります。ウィルスへの抵抗力をつける効果も期待できます。たとえばビタミンE。特に高齢者の感染症を予防します。β-1,3グルカンは、白血球の機能を維持するマッシュルーム・エキスのひとつです。トラウマのある患者が、β-1,3グルカンのサプリメントをとると、肺炎の発症が55%から10%に低下したとする研究結果があります。一般的な用量は、一日100~200mgです。

他にも効果的なサプリメントとしては、カロテノイド、アストラガルス、マイタケ、L-アルギニン、そして、L-グルタミンなどが挙げられます。風邪やインフルエンザを予防し、たとえ病気になっても期間を短縮して重症度を下げるため、ここに挙げたサプリメントをみなさんがいつもおとりのサプリメントと組み合わせてもいいですし、ヘルシーな生活習慣のひとつとして取り入れることができますよ。


Dr. Jに聞く:痛風

Q:  私は53歳で、足首とひざの痛風に悩んでいます。この症状を楽にするサプリメントはありますか?(CN、マサチューセッツ州、e-メール)

A:  痛風は、尿酸の結晶が関節部分にたまっておきる関節の病気です。尿酸は、腎臓やほかの組織にもたまっていきます。足のつま先に強い痛みを感じる人が多いようですが、ほかの関節の痛みを訴える方もいます。尿酸が腎臓にたまって腎臓結石になる方もいます。

尿酸は、プリン(DNAの核酸の一部)代謝の過程で、体内でつくられる副生成物です。プリン体は、カタクチイワシなどの小魚、肉(特に臓物)、甲殻類、酵母エキス、そして一部の豆類などに多く含まれています。痛風であったり、尿酸値の高い方は、前述した食品だけでなく、カフェイン、アルコール、砂糖を避けるようにすると、尿酸値を下げたり、痛風の症状を和らげます。アルコールは排泄されるべき尿酸を排泄されにくくしますし(よって尿酸値が上がります)、砂糖は血液中の尿酸を増やすからです。

野菜、フルーツ、全粒粉、ナッツなどのプリン体の少ない物を食べるようにしましょう。そして、たっぷり水を飲んで尿酸を体の外に出すようにしましょう。一部の研究結果や臨床経験からは、1/2ポンド(約225グラム)のチェリーを食べるか、そのジュースを飲むと痛風がよくなることが示唆されています(それにおいしいですし!)。

キサンチン・オキシダーゼという酵素が、プリン体から尿酸をつくりますので、この酵素の働きを抑え、尿酸がつくられないようにするサプリメントをとるといいでしょう。症状が緩和して、痛風が再発するのを防ぎます。また、抗酸化作用のあるサプリメントもいいですよ。

ビタミンCを高用量(一日4~8グラム)とると、尿酸の排泄を促します。でも、充分水を飲んで尿中の尿酸が結晶化するのを防ぐことがとても大切です。ケルセチンというバイオフラボノイドは、実験室における検査でキサンチン・オキシダーゼを阻害することが示されています。一般的な用量は一日800~1200mgです。

葉酸も、20~80mgという高用量でとるとキサンチン・オキシダーゼを阻害するという研究結果も一部出ています。この用量で副作用の報告はありませんが、充分な量のビタミンB12をとることが重要です。

クルクミン(600~900mg)、オメガ3系脂肪酸(魚油なら3000~6000mg、フラックス・シード・オイルでしたら大さじ1~3)、月見草やボラージ・オイルからとれるγ-リノレン酸(240mg)などの抗炎症作用のあるサプリメントも、痛風の症状を和らげます。


最近のニュースから

・7月に発表された報告で、セントジョーンズウォートがうつ病に効くことがはっきりと示されました(Schulz V, Clinical trials with hypericum extracts in patients with depression... Phytomedicine 2002 Jul;9(5):468-74)。この報告によると、軽度から中程度のうつ病の患者3000人を対象とした34の比較二重盲験で、セントジョーンズウォートは医薬品と同等またはそれ以上の効果が確認されたのです。最新の研究では、不安神経症とうつ病に効くことが示されています(Volz HP, et al., St John’s wort extract ... Psychopharmacology (Berl) 2002 Nov;164(3):294-300)。不安神経症による身体のトラブルを訴えた患者も少なく、軽度のうつ病も重度のうつ病も症状が改善したのです。一般的な用量は、標準エキス600~900mgです。

・オーガニック食品を食べていた子供たちと、従来の食品を食べていた子供たちの神経毒性のある農薬の量を比べたところ、後者が6~9倍も高い危険値を示していることがわかりました(Curl CL, et al., ehpnet1.niehs.nih.gov/docs/2003/5754/ abstract.pdf)。どういうわけかUSDA(米国農務省)は、オーガニック食品は従来の食品より安全でははいと言い張るのですが、研究結果とは矛盾しています


食事と病気

・人口調査によると、食事とニキビは関係があるようです(Cordain L, et al., Acne vulgaris: a disease of Western civilization. Arch Dermatol 2002 Dec;138(12):1584-90)。この研究では狩猟採集民族を調査し、先進国で食べられている精製された炭水化物がニキビの原因ではないかと結論づけています。2つのグループ(ニューギニアとパラグアイ)の食事は、フルーツ、魚、イモ類そしてココナッツの組み合わせか、マニオカ(根野菜のキャッサバのでん粉)、ピーナッツ、トウモロコシそしてコメで、時折野生の獲物が加わるというものでした。こうした食事は、私が勧めている食物繊維をたくさん含んだ野菜中心の食事によく似ています。ニューギニアとパラグアイではほとんどニキビはみられませんでしたが、それに比べて、この2グループを祖先とするが、加工食品をもっと取っている太平洋諸島や南米のインディアンではより多くニキビがみられました。


マッシュルーム大麦スープ

マッシュルームは免疫力を助けます。スープに入れるととてもおいしく食べられますよね。私は生のブラウンマッシュルームと、生シイタケまたは干しシイタケを使います(ほかにもシイタケの仲間を使います。干したものの方が安く手に入ります)。

① 大きなスープ鍋に水または野菜ストックを沸かします(私はオーガニックな野菜ストックを買ってきて、同量の水で薄めて使っています)。干しシイタケを入れて水分を含ませます。

② タマネギ、ニンニク、セロリ、を軽く炒め、スープに加えます。刻んだパセリ、生のディル、タイム、マジョラムも入れます(カイエンペッパー、粗塩、またはしょうゆで香り付けをします)。

③ オーガニックな大麦、角切りにしたジャガイモ、にんじん、生のマッシュルームやシイタケも加えます。大麦は水分を吸うので、たっぷり水が入っていないとスープではなくシチューになってしまいます。

④ 最後に刻んだほうれん草またはスイス・チャードをたっぷり入れます。

サラダと合わせておいしい食事になります。


参考文献

人間的な成長
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風邪の予防
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・Beale RJ, et al., Immunonutrition in the critically ill: ... review of clinical outcome. Crit Care Med 1999 Dec;27(12):2799-805.

痛風
・Stein HB, Ascorbic acid-induced uricosuria. A consequence of megavitamin therapy. Ann Intern Med 1976 Apr;84(4):385-8.
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