ドクターからの『毎日健康ニュース』2011年12月号

2012年01月13日

ドクターからの『毎日健康ニュース』2011年12月号

ヘルシーリビング


ドクタージャンスンから毎月届くニュースレター。話題になっている医療ニュースからビタミン療法、ヘルシーレシピまで、幅広いトピックでお送りします。ドクタージャンスンは、サプリメントだけでなく、食生活、運動、ストレス緩和の最新の情報から、みなさんがヘルシーなライフスタイルをご自分で築いていくことを、願っています。

2011年12月号 運動とテレビと「うつ」との関係

今月の話題:
運動とテレビと「うつ」との関係
ビタミンCで心不全による死亡が減少
缶詰食品によって高くなるビスフェノールA(BPA)値 
果物が子宮筋腫のリスクを減少
循環器疾患患者の延命に役立つビタミンD

運動とテレビと「うつ」との関係

運動が「うつ」の症状軽減に役立つことは知られています。ある研究グループが発表した新しいレポートでは、看護師保健調査の対象者である女性49,821人を調べ、うつのリスクに対する運動の効果を評価しています。この研究では、同じ被験者におけるテレビ視聴時間とうつとの関係も調べています。1996年の調査開始時、この被験者は全員、うつのない状態でした。同じ被験者のテレビ視聴時間に関するデータは、それより前の1992年に得られたものでした。(Lucas M, et al., Relation between clinical depression risk and physical activity and time spent watching television in older women: a 10-year prospective follow-up study. Am J Epidemiol. 2011 Nov 1;174(9):1017-27.)

10年の追跡期間中に、6,505例のうつが記録されました。身体活動度が高いほど、うつを発症する可能性が低いという関連が見られ、身体活動度が最も高かったグループでは、身体活動度が最も低かったグループと比較して、うつのリスクが20%低くなっていました。この報告は、医師の診断または抗うつ剤の使用状況に基づいて行われました。

上記の結果の他に、この研究グループは、テレビを見る時間が最も多かったグループ(週21時間以上)では、うつのリスクが13%高くなっていることに注目しました。これは身体活動度に関する結果とは無関係であったため、テレビを見ている時間が最も多く、それに加えてほとんど運動をしない人は、うつのリスクが33%高くなる可能性があります。

ビタミンCで心不全による死亡が減少

米国心臓協会の2011年度科学会議で発表された研究によると、ビタミンCの摂取量が少ないと、心不全患者の場合、炎症レベルの増加、ならびに心合併症と死亡のリスク増加との関連が見られています。(9月号に書いたように、うっ血性心不全は、心筋の機能が徐々に低下した結果として、運動時の息切れ、ならびに血管外[主に足や肺、またはその両方]での体液貯留が起こるものです。)


低ビタミンC値であると、C反応性タンパク(CPR)の血中濃度が高くなるという関連が見られています。CPRは、心疾患のリスク増加に関連付けられている炎症マーカーです。心不全があり、かつビタミンCの摂取量が少なかったグループでは、食品によるビタミンC摂取量が最も多かったグループと比較して、CRP値(ここでは高感度CRP検査によるもの(hsCRP))が高くなっている可能性が2.4倍となっていました。また、追跡して1年以内に心疾患で死亡する可能性も約2倍となっていました。

以前の研究の中に、血漿ビタミンC値と、致死性心不全および非致死性心不全の発症リスクについて評価したものがあります。この研究は、ガンと栄養に関する欧州前向き調査(EPIC)の一環として、39~79歳の男性9,187人と女性11,112人を調べたもので、血漿ビタミンC濃度が20 μmol/L高くなるごとに、心不全のリスクが9%ずつ相対的に減少することがわかりました。(Pfister R, et al., Plasma vitamin C predicts incident heart failure in men and women in European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition-Norfolk prospective study. Am Heart J. 2011 Aug;162(2):246-53.)

この研究で、高血漿ビタミンC値は、果物と野菜を多く含む食事と関係していました。血漿ビタミンC値が最も高かったグループでは、心不全が38%少なくなっていました。ビタミンCのサプリメントを摂れば、それくらいのビタミンC値にすることはできます。ただ、上記の効果の一部には、食事に含まれる他の栄養素が関与していることも考えられます。

このデータを他の研究結果と組み合わせると、ビタミンCが心不全のリスク低下の重要な要素であることがわかります。もっと用量を増やせば、さらに血漿ビタミンC値を上げることができ、高値になれば、さらに多くの効果が得られる可能性があります。これを解明するためには、さらに研究を行う必要がありますが、今言えることとして、ビタミンCの用量を増やせば、他にも効果があります。


缶詰食品によって高くなるビスフェノールA(BPA)値

ビスフェノールA(BPA)は、様々な食品・飲料容器(主に、ラベル上の材質番号が3か7のもの)に使用するプラスティックに含まれている化学物質です。これは、食品用の缶のライニング(内張り)に用いるプラスティックに含まれており、多くの缶詰製品にて定量化されています。また、ポリカーボネート製の飲料ボトルにも使用されています。尿中のBPA値には、心疾患および糖尿病の増加との相関が見られています。

75人のボランティアを対象とした試験では、半分にベジタリアン用の缶入りスープを食べさせ、残りの半分には、缶入り材料を一切使わない作りたてのベジタリアンスープを与えました。5日経過した時点で、缶入りスープを食べていたグループは、作りたてのスープを食べていたグループより、尿中のBPA値が12倍高くなっていました。その後、2つのグループを逆にして試験を行ったところ、やはり、缶入りスープを食べていたグループのほうが、はるかに尿中BPA値が高くなっていました。(Carwile JL, et al., Canned soup consumption and urinary bisphenol A: a randomized crossover trial. JAMA. 2011 Nov 23;306(20):2218-20.)

一部の化学物質とは違い、BPAは、暴露後、体内に長時間残ることはないようですが、現代社会では、多くの様々な暴露源から絶えず暴露を受けています(レジで受け取る感熱紙のレシートさえ、暴露源となります)。心疾患と糖尿病への影響だけでなく、BPAは、エストロゲン様作用を持つ内分泌かく乱物質であるため、初期の発達段階においてはとくに有害です、また、甲状腺機能にも影響を及ぼす可能性もあります。以前の研究では、BPA暴露と肥満との関係が示されています。


果物が子宮筋腫のリスクを減少

子宮筋腫は、子宮筋にできる良性腫瘍であり、別名、平滑筋腫ともいいます。良性ですが、場合によっては大きくなったり、過度の子宮出血や、痛み、不快感を伴うことがあります。月経痛を生じたり月経期間が長くなることもあり、手術を要することも少なくありません。黒人女性のほうが、白人女性より子宮筋腫の率が高くなっています。子宮筋腫は果物と野菜の摂取量ならびに特定の栄養素との関連があるか解明するため、ボストンとフィラデルフィアのグループが研究を考案しました。(Wise LA, et al., Intake of fruit, vegetables, and carotenoids in relation to risk of uterine leiomyomata. Am J Clin Nutr December 2011; 94(6):1620-31.)

この研究で、閉経前の女性22,583人を12年間追跡したところ、同期間中に、6,627例の子宮筋腫があったことがわかりました。果物と野菜の摂取量(皿数)が最も多かったグループでは、子宮筋腫の発生率に有意な低下が見られました。また、野菜より果物のほうが大きく関連していました。この研究では、食事に含まれる量が1週当たり4皿未満の場合と、1日当たり2皿以上の場合を比較していました。


循環器疾患患者の延命に役立つビタミンD

近年、ビタミンDの研究が集中的に行われています。ビタミンDは食事で摂ることもできますが、体内でも作られるため、本当の意味ではビタミンでなく、むしろホルモンに近いものです。ビタミンDは、紫外線がコレステロールに作用することにより皮膚内で生成されますが、米国やカナダの多くの地域では、1年のうち何カ月もの間は、日光の強さが全く足らないため、ビタミンDを十分に生成することができません。たとえ暖かい季節でも、人々は日中に十分な皮膚暴露を受けないため、十分なビタミンD(1日当たり20分の全身暴露に相当)を生成することができません。

正常な血中ビタミンD値は30~100 ng/mlとみなされていますが、データから見て60~100 ng/mlを目標にしたほうが良い、と多くの研究者が考えています。最近の研究で、ビタミンDの欠乏と補給、ならびに様々な循環器疾患の発症率について調べることを目的としたものがあります。ビタミンD欠乏については、すでに、高血圧症、末梢血管疾患、冠動脈疾患および心不全との関連が見られています。

この研究は、平均年齢58歳の患者10,899人を調べたもので、その平均血清ビタミンD値は24.1 ng/ml (25-OHビタミンD3)でした。たとえ基準を30 ng/mlとしても、この被験者集団のうち、正常範囲にあったのは30%に過ぎませんでした。(Vacek JL, et al., Vitamin D deficiency and supplementation and relation to cardiovascular health. Am J Cardiol. 2011 Nov 7. [印刷(物)に先行した電子出版])

被験者の結果から、ビタミンD欠乏と、上記の循環器疾患には関連があることが確認されました。それだけでなく、ビタミンD欠乏のグループでは、ビタミンDが十分なグループと比較して、総死亡率が2.64倍高くなっていました。また、ビタミンDのサプリメントを摂っていたグループでは、死亡リスクが61%低くなっていました。別の研究結果によると、ビタミンD欠乏のグループでは、糖尿病になる可能性が2倍高くなっていました。



Posted by 西本貿易株式会社 ナチュメディカ事業部 at 15:59 │ヘルシーリビング