ドクターからの『毎月健康ニュース』2010年6月号

2010年07月05日

ドクターからの『毎月健康ニュース』2010年6月号

ヘルシーリビング


ドクタージャンスンから毎月届くニュースレター。
話題になっている医療ニュースからビタミン療法、ヘルシーレシピまで、幅広いトピックでお送りします。
ドクタージャンスンは、サプリメントだけでなく、食生活、運動、ストレス緩和の最新の情報から、みなさんがヘルシーなライフスタイルをご自分で築いていくことを、願っています。

2010年6月号ビタミンDは食事と一緒に摂るのがベスト

今月の話題:
日焼けは黒色腫のリスクを増加
ビタミンDは食事と一緒に摂るのがベスト
全粒穀物が糖尿病による死亡率を低下
高脂肪・高カロリー食による喘息の悪化
地中海式食事法が心臓にもたらす効果




       
日焼けは黒色腫のリスクを増加

紫外線の暴露は、日光あるいは日焼けマシンからのいずれにせよ、皮膚に損傷を与え、あらゆる形態の皮膚ガンのリスク増加にもつながります。しかし、紫外線の暴露後に皮膚内で生成されるビタミンDは、皮膚ガンを含むガンのリスクを下げます。このため、日焼けするが良いのかどうか、多少の混乱が生じています。いくつかの研究で、紫外線の浴びすぎは危険であることが明確に示されており、ビタミンDはほとんど、日光に当たるよりサプリメントで摂ったほうが良いことが強く示唆されています。

最近行われた集団ベースの研究で、屋内の日焼けマシンによる黒色腫のリスクを調べたものがあります。1,167人の患者および1,101人の対照において、日焼けマシンを使っていた場合には黒色腫の顕著なリスク増加との関連が見られました。(Lazovich D, et al., Indoor tanning and risk of melanoma: A case-control study in a highly exposed population. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2010 May 26. [印刷に先行した電子出版])

この研究によると、日焼けマシンで紫外線B波(中波長紫外線)を頻繁に浴びていたグループは、黒色腫のリスクが3倍近くになっており、日焼けマシンで紫外線A波(長波長紫外線)を頻繁に浴びていた場合には、黒色腫の発生率が4倍を超えていました。このリスクは、線量に直接関連していたため、年齢を問わず、曝露量が多いほど黒色腫の発生率が高くなっていました。被験者の年齢は25~59歳でした。たとえ曝露量が少ない場合でも、日焼けマシンを一度も使用したことがないグループと比べて、黒色腫のリスクは75%高くなっていました。

ナショナル・パブリック・ラジオ(訳註:米国の非営利ラジオ局)で取材を受けた数人の皮膚科専門医が、日焼けは危険とはっきり言っています。日焼けは、損傷に対する皮膚の反応であり、日焼けから皮膚を守るために「日焼けベース」を作っておくという考えは、それ自体危険です。これは、皮膚ガンだけでなく、光による皮膚の老化(紫外線が誘発するしわ)にもつながります。取材を受けた皮膚科医全員が、日焼けマシンはガンを誘発するため禁止すべきと考えており、FDA(米国食品医薬品局)は、そうした規制を設けることを検討中です。(とはいえ、経済的な利害関係がある人々がこうした決定に影響を及ぼそうとすることは間違いありません。)

紫外線が誘発する皮膚ガンを予防するためには、衣類で皮膚を保護し、日焼け止めを付けるのが最も効果的な方法です。すべての衣類に十分な遮光性があるとはかぎりません。最も安全で保護力の高い肌用製品は、酸化亜鉛または二酸化チタンを含むものであり、こうした物質が日光に対する物理的なバリアとなります。

紫外線A波と紫外線B波のどちらも予防できる日焼け止めが必要です。化学薬品を使った日焼け止めは、とくに危険な物質であるホルモン撹乱物質が含まれているため、全く安全というものはなく、FDAが承認したものでも、安全性は確認できません。以下のサイトに、日焼け止めに関する適切なアドバイスが掲載されています。www.ewg.org/2010sunscreen/

取材を受けた皮膚科医は皆、日光に当たるよりサプリメントでビタミンDを摂ることを勧めていました(量は1日当り1,000 IU以上だそうです)。その理由として、皮膚によるビタミンDの生成能力は加齢とともに低下することや、緯度や季節によっては、年齢に関係なく、日光を浴びてもほんのわずかなビタミンDしか生成されないことなどがあり、こうした場合、サプリメントでの摂取がさらに重要となります。次の話題では、ビタミンDの適切な補給方法について、最大の効果を得るための摂取方法を含め、さらに詳しく説明します。




ビタミンDは食事と一緒に摂るのがベスト

ビタミンDは重要であるため、血中濃度の増加につながる量を摂ることが肝心であり、血液検査をしないと血中濃度が増加したか判断することはできません。正式な試験では、血清中の25-ヒドロキシ・ビタミンD3濃度(25(OH)D3濃度ともいう)を調べるのですが、これが50~80 ng/ml(ナノグラム(10億分の1グラム)/ミリリットル)の範囲にあるべきです(医師が1,25ジヒドロキシ・ビタミンD濃度の検査を指示する場合があるので、それを調べるのではないことを確認してください)。健康的な濃度に達するためには、1日当り5,000~10,000 IUのビタミンDを摂る必要があると思われますが、検査をしないとわからないでしょう。

ビタミンDのサプリメントを摂っている人の多くは、たとえ高用量で摂っている場合でも、最適な健康状態の維持に十分な血中濃度には達していません。クリーブランド・クリニック(訳註:米国オハイオ州クリーブランド市にある大規模な非営利医療機関)の研究グループが、55~75歳の被験者17人における3ヶ月間のビタミンD吸収量について調べました。この被験者は全員、毎日1,000~50,000 IUのビタミンDを摂っていたものの、血中濃度は低いままの患者でした。加齢とともに、紫外線によるビタミンDの生成量だけでなく、腸内吸収量も低下します。

被験者は次に、1日のうち最多量を摂る食事とともにビタミンDのサプリメントを摂るよう指示を受けました。その前の時点では、たとえサプリメントを摂っていても、被験者の25(OH)D3の血中濃度は21~38 ng/mlの範囲にありました。サプリメントを摂るタイミングをこのように変えたところ、血中濃度は34~74 ng/mlという範囲まで上昇しました。(Mulligan GB, Licata A. Taking vitamin D with the largest meal improves absorption and results in higher serum levels of 25-hydroxyvitamin D. J Bone Miner Res. 2010 Apr;25(4):928-30.) これは血中濃度に有意な改善があったことを表していますが、まだ十分ではない患者もいるため、血中濃度を上げるためにはもっと用量を増やす必要があることを示唆しています。

ビタミンDは脂溶性栄養素なので、食事と一緒に摂ると吸収が良くなるはずです。ただしこれは、食事に何らかの脂肪が含まれることを前提としています。脂肪とは、オリーブオイル、亜麻仁油、ナッツ類、種子類、ピーナツやピーナツバター、脂肪の多い魚、大豆食品、ココナッツでも良いのです(他の研究によると、牛、豚、家禽、羊などの陸生動物の脂肪ではないほうが良いようです)。この研究グループはおそらく、最多量を摂る食事であれば吸収を促進するのに十分な脂肪が含まれていると仮定したと思われるのですが、必ずしもそうとはかぎりません。


全粒穀物が糖尿病による死亡率を低下

2月号のニュースレターにて、精製穀物(白米や精白小麦粉)ではなく全粒穀物を食事で摂っていた場合に糖尿病の発症リスク減少との関連が見られたという記事を紹介しました。精製穀物は糖尿病のリスクを高めます。ある新しい研究では、全粒穀物やふすまを摂ることにより、糖尿病患者の死亡率が低下し、とくに女性の糖尿病患者において循環器疾患による死亡率が低下することがわかりました(この研究は女性のみを対象としたものでした)。

この研究グループは、看護師保健調査の対象者で2型糖尿病がある女性7,822人について調べ、26年間追跡しました(2型糖尿病は成人発症型糖尿病とも呼ばれていますが、だんだん若い人にも見られています)。全粒穀物、穀物繊維およびふすまの摂取量が最も多かったグループでは、原因を問わない死亡率が16~31%低くなっていました。(He M, et al., Whole-grain, cereal fiber, bran, and germ intake and the risks of all-cause and cardiovascular disease-specific mortality among women with type 2 diabetes mellitus. Circulation. 2010 May 25;121(20):2162-8.)

ふすまとは、小麦、オートムギ、米などの穀物の硬く消化されにくい外皮をいい(訳注:米の場合は「ぬか」)、一般的には精白小麦粉や白米を作る処理過程で除去されます。全粒穀物の摂取量が最も多かったグループでは、循環器疾患による死亡リスクが35%、原因を問わない死亡率が28%低くなっていました。ふすまの添加摂取量が最も多かったグループでは、ふすまを添加摂取していなかったグループと比較して、原因を問わない死亡率が55%、循環器疾患による死亡リスクが64%低くなっていました。全粒穀物は、炎症を減少し、内皮機能を改善しますが、これはふすまによる効果ではなさそうです。ふすまは吸収されないからです。





高脂肪・高カロリー食による喘息の悪化

脂肪とカロリーが多い食事を摂ると、すぐに喘息が悪化することがあります。気道の炎症とけいれんが、ぜんそく患者の特徴です。食事脂肪は、免疫反応を活発にし、場合によっては全身性炎症を増大させることもあります。ある研究グループは、気道炎症と気管支機能に対する脂肪摂取の具体的な影響を測定しようと試みました。

この研究では、肥満でない喘息患者14人に高脂肪・高カロリー食を与えるとともに、肥満である被験者16人に高脂肪・高カロリー食を与え、低脂肪・低カロリー食を摂った肥満でない患者16人との比較を行いました。こうした食事を与えてから4時間後に、被験者の炎症兆候、免疫反応および気道機能を調べ、その結果を調査開始時点での機能と比較しました。この研究結果は、5月に行われた米国胸部疾患学会の国際会議にて発表されました。(Wood LG, et al., [Poster Board # 706] A high fat challenge enhances innate immune responses in asthmatic airways, Am J Respir Crit Care Med 181;2010:A5182.)

4時間後の検査の時点では、高脂肪・高カロリー食を摂ったグループは、低脂肪・低カロリー食を摂ったグループと比較して、唾液中の白血球数が5倍、炎症マーカー値が2倍になっていました。投薬への反応では、高脂肪・高カロリー食のグループでは1%しか機能の上昇が見られなかった一方、低脂肪・低カロリー食のグループでは4%上昇していました。高脂肪食の内容は、ハンバーガーとハッシュドポテトでした(これは高度に加工されたショートニングに浸されることが多く、最近まではトランス脂肪がたっぷり含まれていました)。陸生動物の脂肪には炎症との関連が見られていますが、加工されていない植物油は違います。


地中海式食事法が心臓にもたらす効果

地中海式の食事法は心疾患のリスクを低下することが知られています。新しい研究により、地中海式食事法は、すでに心臓発作を起こしたことがある人にも効果があることがわかっています。この食事法を実践した場合、2年以内に発作が再発する可能性が低くなっています。地中海式食事法は、新鮮な野菜、果物、マメ科植物、全粒穀物、ナッツ類、魚類を中心とし、獣肉や全脂肪乳製品をあまり含まないものです。

新しい研究によると、この食事パターンをより厳密に実践することにより、すでに心臓発作を起こしたことがある患者の再発リスクが低下する可能性もあるということです。この研究では、休息時や極めて軽度の活動時に心臓発作もしくは激しい胸痛を起こしたことがある患者1,000人について調べ、どれくらい厳密に地中海式食事法を実践しているかにもとづき、0から55までの段階で各自を評価しました。

高い段階にあったグループでは、入院中もしくは退院後3カ月以内に心室機能障害を生じる確率に有意な低下が見られました。2年後の調査時点では、心臓発作が再発する可能性が40%低くなっていました。(Chrysohoou C, et al., The Mediterranean diet contributes to the preservation of left ventricular systolic function and to the long-term favorable prognosis of patients who have had an acute coronary event. Am J Clin Nutr. 2010 May 19. [印刷に先行した電子出版])










Posted by 西本貿易株式会社 ナチュメディカ事業部 at 15:32 │ヘルシーリビング